森のバロック ~学問とは~
森のバロック 中沢新一
ほんものの学問は、常識(ドクサ)への疑いから出発
している。
常識によっては見えなかった現実を、新しい概念を創造する
ことによって、見えるものにし、常識の枠を事実の発見によって
打ち破っていく精神のみが、真実の学問をつくる。
常識の知性が、「大いなる創造力の流れ」である宇宙的なもの
にたいして築いた、さまざまな砦にむかって、学問は機略を
つくしたゲリラ戦をおこない、砦のそこここに改修不能な損傷を
あたえ、宇宙的な力が、砦の内部の住民たちのもとにまで浸透
していける状態をつくりだそうとしてきた。
熊楠は、そういう学問を心から愛した。(P28)
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