少子化対策特別部会に意見書を提出
少子化対策特別部会
「次世代育成支援に関するサービス・給付の現状」
の資料に関する意見
080320
(有)セレーノ
杉山千佳
3月21日の部会ですが、所要のため欠席につき、意見書をまとめました。参考にしていただければ幸いです。
・制度の現状について、全体を網羅するわかりやすい資料が出たことはとてもうれしく思っています。ありがとうございました。
(議論に先立ち必要と思うこと)
・質の話ばかりしていると、量を拡充することができません。いかに量を拡充していくか、あわせて質をどう維持・向上させていくか、両方に目配りをする必要があると思います。
・これまで私たち子育て支援活動を行ってきたものが重視してきた点に、「親を単なる支援の受け手にしない」、「相互支援・地域の支えあいの視点」があります。「子育て支援」は、単なるモノの売買のようなサービスではありません。子どもを核に人と人が関係を結ぶ作業です。この理念をどう組み込んでいくかは大変難しいのですが、どんなときでも忘れないようにしながら議論を進めていけたらと思っています。
・「待機児対策を積極的に行わなければならない都市部」と「若者が減る一方で少子化対策が必要な地域」では取り組む内容が全く違うこと、「妻の就労継続」など、仕事と家庭の両立支援に重点を置かなければならない0~3歳と、幼稚園と保育園のあり方を模索する4,5歳、学童期対策ではやらなければならないことが全く違います。大枠の議論ではありますが、地域別、年齢別にやるべきことを整理して、とりこぼすことなく進めていただけたらと思います。
(保育サービスについて)
・保育所(通常保育)を核に必要なものを対処療法的に付け加えてきたのがこれまでだったと思いますが、働き方やライフスタイルがこれだけ変化したのですから、抜本的に見直す必要があります。
・気をつけたいのは、「ワーク・ライフ・バランス」の応援に資するものであるということ。子どもが病気でも夜中でもいつでも空いていて、いつでも預かってもらえるという施設が果たして子どもにとってよいのかどうか、「サービスがある」ということで、親が(雇用者に求められて)そちらに流れてしまうという側面もあることに十分留意したいと思います。
そういう意味では、よく引き合い出されるフランスやスウェーデンの働き方はどうなのか、子どもが病気の時に預かってくれるサービスなどというものがそれら先進国に存在するのか、延長保育の受け皿はどうなっているのか、参考にしたいと思います。
・「現実問題必要なのだ」というニーズも当然、あります。受け皿づくりは必要ですが、一方で、公的支援としてどこまで行うのか、事業者と従業員で解決できないのか、費用対効果などもみながら議論する必要があると思います。
・「多様な働き方」に対応するという意味では、「特定保育」「休日保育」については通常保育に組み込んでもよいのではないでしょうか。
・「通常保育はすべて税金で」という考え方は、妻が働いていない、現状約7割いるとも言われている家庭とのバランスを欠いているのではないでしょうか。どこがどれだけ負担をするかについても、議論が必要でしょう。
・新待機児ゼロ作戦もあり、今後量を拡充していかなければならないことを踏まえると、施設整備補助について株式会社、NPO法人も対象にして、「やりたい」と思う人が、同じスタートラインのもと、よいサービスを提供していただけるよう仕組みを見直す必要があるのではないでしょうか。
(その他の保育事業について)
・家庭的保育事業は現状「認可保育所の補完的役割」という位置づけですが、今後の新しい保育の柱として独立させて制度化したほうがよいのではないでしょうか。
・病児・病後児保育や一時保育など、何を「専門職」にゆだね、何を「地域のボランティア」にゆだねるのかといった十分な議論を行わないまま、これまで来てしまったように感じます。「保育の質」にこだわるのであればなおのこと、専門家のやるべきことは何か、ボランティアなど地域の支えあいだからこそできることは何かなど、議論をし、できればガイドラインなどを設け、一定の合意の上でよりよい子育ての環境をつくる努力を行うべきではないかと思います。
(すべての子どもの健やかな育成を支える給付・社会基盤について)
・このなかのいくつかの事業は歴史も浅く、現場においてどのような機能が求められるかまだ確定しておらず、親子や社会のニーズに合わせて変化していく可能性が高い事業も多いように思います。ある程度落ち着くまでには時間が必要で、親子によって求める支援内容が相当変わってくると予想されます。そこで、親子の状態を把握しながら、「あなたにはこの支援サービスがいいのでは?」と、案内をするような役割の人を置いていただけないでしょうか。介護保険制度のケアマネージャーほどの強い役割は必要ありませんが、地域資源とつなげ、親の正しい選択を応援する助言者は必要です。全戸訪問事業あるいは、地域子育て支援センターなどに、そうした機能も付加されるとよいのではないでしょうか。
以上。
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